パソコン検定協会会長 草原克豪
現在、中学校や高等学校では、文部科学省の学習指導要領に基づいて情報教育の土台が築かれつつあります。
こうした中、パソコン検定試験(P検)は、学習指導要領に沿いながら、中学「情報とコンピュータ」、高校教科「情報」に準拠した資格試験体系の構築を図ってきました。現在では約3000の中学・高校と約1800のPASS認定校で試験が実施されています。
大学・短大レベルにおいても、P検は、平成17年12月末時点で約259大学・558学部から入試優遇・単位認定のご指定を頂いております。さらに、厚生労働省の「YES-プログラム」(若年者就職基礎能力支援事業)においても、P検が情報技術分野の資格として選定されるなど、社会・企業からも一定の評価を頂けるようになってまいりました。
しかしながら日本の情報教育は、先進諸国に対して大きな遅れを取っています。
米国では、ISTE(International Society for Technology Education)という団体が、プロフィシエンシーをベースとしたNETS(National
Educational Technology Standards)と称する教育基準を策定しており、全米9割以上の州や学区内の学校が、この基準を採用もしくは参考にして授業を推進しています。
プロフィシエンシーとは、知識やスキルを現実の状況の中で応用して、何らかの目的を持つ作業を遂行する能力のことです。例えば、言語の分野におけるプロフィシエンシーとは、ある場面での適切なコミュニケーションができることであり、算数のプロフィシエンシーとは、買い物をした時にきちんとお釣りを計算できることであり、情報分野のプロフィシエンシーとは、状況に応じて情報技術を適切に活用して課題を解決できることを意味します。英語の単語を覚えること、算数のドリルで計算問題を解くこと、表計算の関数を記憶することなどは、いずれも必要なトレーニングではありますが、教育の最終目標ではないのです。
P検は、このプロフィシエンシーの獲得を最終目標とした教育を推進すべきであると考えております。そのために「P検2006」として試験内容の大幅な改定を行なった結果、昨年、P検はNETSに準拠した優れた教育基準であるとして、ISTE
から正式な認定を受けることができました。
また本年4月からは、ICT教育推進プログラム協議会、マイクロソフト(株)と共同で、プロフィシエンシーをベースにした授業を実現するために、中学・高校を対象としたICTスキルアップのための教科書補助教材の提供を開始する予定です。
パソコン検定協会は、このP検を広く活用していただくことにより、情報教育が目的としている情報の科学的理解、情報活用の実践力、情報社会に参画する態度などを育む豊かな教育の実現に貢献したいと考えています。
そのためには、P検を利用される方々(受験者、教育担当者、学校の先生、企業の採用担当者など)から厳しい評価を受け、その中で成長していく資格試験でなければならないと認識しています。本年度も、多くの方々からの忌憚のないご意見を賜りながら、より価値の高い資格試験を目指して努力してまいります。
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