ジュニアP検
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ジュニアP検とBB(BestBehavior)
 


7.ジュニアP検とBB(Best Behavior)


 ジュニアP検では、我が国の情報教育の目標の一つである情報社会に参画する態度を育む方略として、BB(Best Behavior)と呼ばれる子供たちの行動変容プログラムを、オレゴン大学Institute on Violence and Destructive Behavior (IVDB)研究所のJeffrey R. Sprague博士と提携し採用した。

 このBBは、オレゴン大学とThe National Center on Positive Behavioral Interventions and Supports (米国連邦政府のOffice of Special Education Programsから助成を受けているリサーチセンター) で開発されたPositive Behavioral Support (PBS)アプローチに基づいてデザインされたものであり、学習を促す安全な環境において、子供たちの学業の達成と健全な社会的能力の発達を促進することを目的としている。

 子供たちを取り巻く環境には、現実世界(Real World)と仮想世界(Virtual World)とが共存しており、Virtual Worldからは情報に無防備な子供たちに対して、有害な情報を含め、ありとあらゆる情報が降り注いでいる。

現実世界(Real World)と仮想世界(Virtual World)

 Virtual Worldからの情報に感化された子供は、ある日突然、友達に対して粗暴な振る舞いをしたり、あるいは逆に、友達を尊重した親切な振る舞いをしたりする。

 ジュニアP検では、いろいろなメディアから降り注がれる情報を防ぐというフィルタリングを期待するのではなく、子供たちが情報を正しく見極められるように育てるために、下記の六つの状況において子供たちに迷いを与えない共通化された行動が定着するように指針を定めた。

■ 人としてあたりまえの行動(BB)とは何か

■ 新しい情報に接した時の正しい行動(BB)とは何か

■ 情報を新たに作り出す時の正しい行動(BB)とは何か

■ 情報を管理する時の正しい行動(BB)とは何か

■ 友達と共同作業を行う時の正しい行動(BB)とは何か

■ 発表する時、発表を聞く時の正しい行動(BB)とは何か

 これらの指針は、情報が事実に基づくものなのか、あるいは個人の意見や風聞なのか等を見分けられる目を持った子供を育てていけるように、情報倫理教育と情報安全教育の要素を取り入れるものである。

 学校という世界は、子供たちにとってはじめて体験する家庭以外の社会であり、その中で、子供たちは個と社会についての関わり、人と人との関わり、ということに関して日々の授業(道徳教育など)や友達との遊びの中で、その普遍的な原理原則を体で学んでいる。

 戸惑いながら社会性を身につけていく子供たちに対して、学校や保護者は、ジュニアP検が示すBBの考え方に沿って、広い分野で子供の行動を観察し指導していけるものと考えている。

 このBBの基本原理は、行動の強化と行動の弱化というパフォーマンス・マネージメントの手法を用いた指導法である。

 子供たちが行動することで、何か良いことが起こったり、悪いことが無くなったりすると、その行動は繰り返されるという「強化の原理」や、行動することで何か悪いことが起こったり、良いことがなくなったりすると、その行動は繰り返されなくなるという「弱化の原理」などを利用して、望ましい行動を習慣化していく方法である。

 従来は先生によってバラバラだった指導法を、ルールを明確にし、「強化」と「弱化」の行動随伴性を学校全体で整備することで一貫性を持たせ、それによって子供たちのパフォーマンス・マネージメントを行うものである。

 校則やルールを作ると、とかくルール違反を罰することが指導の中心になりがちとなるため「弱化」によるマネージメントだけでは、望ましい行動は増えない。

 ルール違反をした場合の罰は、嫌子の出現になり、「反発の原理」が作用して先生や学校に反抗的となり、攻撃的な行動が増えるという結果を招くおそれがある。

 「強化」と「弱化」のバランスをとり、それをツール化して学校全体、コミュニティ全体が取り組める様な形にしたのがジュニアP検のBBである。

 従来の教育では、「他人を思いやろう」「他人の立場で考えよう」などの言葉を子供たちに与える事で、人としての生き方を教えようとしていたが、これらは、心の次元の問題であり、子供たちが具体的な行動にどう結びつければ良いかが分からないという欠点がある。

 ジュニアP検では、これに対して、「友達に助けられたら『ありがとう』と言う」「使ったものは後片づけする」「分からないことは先生に質問する」など、基本的な行動をポジティブな表現(〜しないの表現はとらない)を使い、具体的かつシンプルに表現することで、即行動に結びつくようにした。

 これは子供たちを細かい規則で縛るためのものではなく、逆に子供たちが自由に幸せに生きていくために、好ましい生活習慣や人として最低限守らなければならない当たり前のことを示したものである。